技術職女子の日記

技術職女子がもがいてる日記。

夫婦同姓維持派の中で「家族の絆」を理由にあげてる人の理屈がわからない

最高裁により「夫婦同姓は合憲」という判決が出て、夫婦の姓に関する問題に注目が集まっています。

私は「選択的夫婦別姓に賛成」の立場です。

1番の理由は「夫婦同姓制度によりキャリアに支障が出る人がいること」です。
 
研究者、技術者の論文、特許における名前がが変わることで、その人のキャリアに支障が出ています。(これまで、その人がどんな論文や特許を出したかという情報は重要です)

「一見して同一人物とわからない」だけでは済まず、
「本人が出来る限りの工夫(新姓、旧姓併記など)した場合でも、
新旧両方の姓を知らなければ、本人の論文や特許の全てを検索することができない」という報告もあります。

私自身、来年から技術者になるため他人事ではありません。


この状況を打破するためには「夫婦で別姓を名乗れる」か「新旧両方の姓を公式に利用できる」のいずれかが必要だと思います。



一方で実害のある今の制度を維持すべきという人もいます。
そこで「今の夫婦同姓制度を維持したい派の理由は何なのか」ということを調べました。

主なものは大きくわけて次の2つです。(他にもあるよ!という方は教えてください)

1.同姓であることは家族の絆につながる

2.同姓前提の制度が整っているので、変えるのに大きなコストがかかる
(問題が生じてる人には別の方法で対応すべき)


2については、専門家に実際どの程度のコストがかかるか概算して頂きたい。
今回は一旦置いておきます。


今回は1について反論します。

反論の要点は以下の2つです。

(1)「同姓=家族の絆」は現代の全ての日本人にとって真ではない。

(2)「同姓=家族の絆」が真であったと仮定すると、今の夫婦同姓は大変不平等なものである。


2点について詳細を説明します。


(1)
そもそも「家族の絆」や「家族の一体感」という言葉の定義は何なのでしょうか。おそらく、各個人によって定義は異なると思います。

「姓が同じ」ことで家族であることを実感する人も確かに存在するでしょう。
一方で、「姓なんて形式的なものは、家族の絆に無関係だ」という人もいるでしょう。
(私は後者です。)

現在、導入を望んでいる人がいる「選択的夫婦別姓」は、「同姓、別姓を選べる」という制度です。
「同姓=家族の絆」の人は同姓を選択すればいい、同姓では支障がある人は別姓を選択すればいい。

みんなが幸せになれるのに、反対する意味がわかりません。


(2)
家族の絆の定義は人により様々ですが、ここでは「同姓であることは、家族の絆につながる」を全員の共通認識と仮定します。

その場合、今の夫婦同姓制度は恐ろしく不平等です。

現状「結婚すると一方(多くは女性)の姓が変わる」ということは、言い換えると「姓が変わる一方のみ、元の家族(親や兄弟など)の絆が弱まる」ということになります。

姓が変わらない側は、元の家族との絆を維持しつつ、新しい家族の絆をつくることができます。
姓が変わる側は、元の家族との絆を犠牲にして、新しい家族の絆をつくります。

この構造は明らかに不平等です。
この不平等を解決するためには「旧姓、新姓の両方を登録する」制度が必要です。
にもかかわらず、「今の夫婦同姓を維持」と主張するのは矛盾しています。

 
  
以上の話から、私は(コストの問題さえなければ)「今の夫婦同姓の制度を変えるべきだ」と思います。



「家族の絆」を根拠に、現行の制度維持を主張している人は、自分の主張のおかしさに気づいて欲しいです。